◆ 【光】フラム(CV.小林ゆう)

 無限に広がる時空には、それぞれの特異点がある。その特異点から生じる分岐は時に、一個人の人生の為に生まれることがある。

 ベルグ家は代々アヴァロン王城を守ってきた。世襲されない王座を守ることは容易ではない。歴史学者たちは、アヴァロンが王座を維持することができたのは、彼らが信念と名誉を懸けた守護の誓いを守ってきたからだと言う。

  フラムの祖母であるベルグ卿は、気難しい性格の持ち主でもあったが、誰もが絶対的な守護騎士として認める誉れ高き騎士だった。しかし、彼女が騎士を引退した後に起きた一つの出来事が彼女を変えた。ある日突然育てることになった孫娘。両親を失った赤ん坊を見るのは、ベルグ卿にとってもつらいことだった。だが、赤ん坊のその小さな手が彼女の小指をぎゅっと掴んだ瞬間、ベルグ卿は自身がこの子を愛さずにはいられないことを悟った。彼女は自身が持つすべてを懸けて、幼い孫娘を育て上げた。血は争えないもので大層お転婆な少女だったが、ベルグ卿は持ち前の忍耐力と愛で覆った。そんないたずらっ子も10歳の夏が終わる頃、祖母の努力と愛に気づくことになる。自分の両親に思いを馳せ、祈る祖母の心情を知ったのだ。

それから数年後、先代ベルグ卿を彷彿させる、騎士の中の騎士、フラムがこの世界に登場したのだった。