◆ 【水】竜騎士ヘルガ(CV.朴璐美)
いくら貿易が盛んな国家でも、山奥の村の風景は、どこも似たようなものだ。それはヘルガの故郷も例外ではなかった。見慣れた空き地や森の道、町の会館を通り過ぎると、そこから見える小川のほとり。
道沿いに入っていかないと見つからない小さな旅館には、ヘルガと彼女の両親、そして一匹の犬の思い出が詰まっていた。ヘルガは退屈な時、物干し竿を武器のように振り回す活発な子供だった。少女は物語の中で描かれる冒険とは程遠い人間だと思っていた。星も見えないくらい真っ暗な冬の夜、世界中のどんな灯火よりも明るく光る竜の瞳と向き合うまでは。
竜という生き物は、非常に変わっている。知性を持ち、長生きし、世間とは関わらない習性がある。巷では、その習性が歪曲され「怒り狂った竜が人を捕食した」「津波と地震はすべて憤怒した竜の仕業」という根拠のないデマが広まっていた。幸いにも山奥に住んでいた少女は、そのような噂話を耳にしていなかった。少女が最初に口にした言葉は、「キャァ!」という悲鳴でもなく「助けて!」でもない、「あなた、ケガしているの?」だったのだ。
その後の展開は、言うまでもない。竜というのは決して忘れない生き物だ。一生の同伴者として決めた者の最初のひと言、その後の行動、そして共に過ごした大切な日々の隅々に至るまで。そのすべてを決して忘れない。そして、永遠に後悔することなどないのだろう。ヘルガの槍に宿り、これからも続く旅路を見届けるその日まで。
◆ 【水】竜騎士ヘルガのスキル紹介