ダケオン、あの懐かしき国の物語をするとしよう。王位が変わったばかりにも、関わらず継承が行われた不思議な国である。隠された獅子の爪は確かに鋭かったが、それを正当な継承と考える者はいなかった。だが、民衆の不満はすぐに収まった。傭兵たちは予てから切望していたのは拠り所であり、シアンは誰よりも本質を見抜くことに長けていた。

始めから異なる思考回路を持っていれば、時間の経過と共に歪みは大きくなり裂けるもの。
シアンは奪い取ることを決意した。

短い治世の間にシアンが下した決定は隣国を驚かせるに十分であり、その意志は、またはっきりしていた。平和的な解決ではなく、力で奪い取ることを選んだ。シアンは城門を固く閉ざし、傭兵たちの訓練に精を出した。数の数え方、もらった分だけ働く方法、甘い言葉に惑わされない方法を教えた。強制や脅迫に近い宣言で城の外へ出る者も多かったが、シアンは決してこの部分は譲らなかった。

鎌のように尖った矛先ははなぜ失脚した王に向けられなかったのか、多くの憶測が飛び交った。ただ、重要なのは現在ブルーコスの名を継ぐアスランが、若き獅子の忠実な右腕として暗躍しているという事実である。元の場所を取り戻すための準備をしているという噂もあったが、どちらが真実かは永遠に分からないだろう。天が割れた日、迫り来る選択の瞬間にもシアンは躊躇しなかった。

方法がどうであれ、シアンが歩んだすべての道には常に傭兵たちの未来が込められている。これからもそれは変わらず、シアンは妥協しない姿勢を武器に前進し続けるだろう。その途中で何を見つけるか、それらがどんな変化の風をもたらすかは、これから見守るべきことである。