【英雄紹介】王子カルティス(光)
遥か昔の物語を語ろう。幾十、幾百もの時を巻き戻す前の、はるか昔の話である。大陸は戦乱の傷痕を癒やしつつあり、その時代、ガルスは内陸国という制約を抱えながらも、強大な影響力を誇る王国であった。すべては、第1王子が主導した魔道革命の賜物である。やや優柔不断ながらも温厚な国王と、将来を嘱望される後継者たち。決して完璧とは言えずとも、王国の未来は誇れるほどに明るく見えていた。ただひとり、兄たちとは全く異なる名声を轟かせた末弟を除いては。
第3王子カルティスの誕生は、国中を騒然とさせた。すでに聡明な二人の兄を巡る水面下の争いが熾烈を極めていた折、新たな選択肢が加わるかもしれないという緊張が、王国全体を包み込んだからだ。しかし、異彩を放つこの王子は、誰もが予想だにしなかった形で、その期待を裏切ることとなる。
品格も義務も意に介さず、日々街を徘徊し、観光客に「王都で一番美味なサンドイッチ」を出すカフェの場所を案内する王子など、想像できるだろうか。彼は常に奇想天外な知恵を絞って授業を回避し、兵士たちの目を掻い潜って城から抜け出し、「暴れん坊王子」としての名声を日々塗り重ねていった。そう、いつものように警備の目を逃れて逃走中、空から舞い降りた少女と衝突し、転落するまでは。
その後に起きた出来事は、あなたも目の当たりにしたことだろう。幾多の事件、幾多の選択がカルティスを襲った。より良い選択もあっただろう。二度と取り返しのつかない選択もあっただろう。そして、これから彼にどのような試練と逆境が待ち受けているのか。たったひとりの人間に与えられた「ユニバース」という力が、いかなる形で脈動していくのか。その答えを、道を歩み始めたばかりのカルティスは、まだ知る由もない。ならば、見届けるとしよう。彼が歩んできた道を。そして、これから歩んでいく道を。