竜と古龍について数多くの研究が行われたが、今でも正確な真実は明らかにされていない。誰よりも長い年月を生き、精霊と魔力に愛され、知性と知恵を兼備する種族。これほどまでに優越主義に陥りやすい環境は他になかったがゆえに、世間と少し距離を置いたり、悪名を馳せた者も数多くいた。しかし、私たちが何よりも注目すべき点は、あれほど強大な人々ですらも、世界の束縛に従属しているという「真実」だ。

よって彼が敬愛を捧げる方法は他になかったのだろう。竜という種族はそのような生き物なのだ。長い年月をかけて築き上げてきた知識を持つ彼らは賢者の風格を持つ。だがそれは同時に、それだけの歳月が作り上げた固定概念を覆すことが難しいということを意味するのだ。そうして作り上げられた間違った固定概念が、忘れることのできない信念でもあるとすればどうだろうか。

彼の主は後悔にさいなまれた竜に生きる動機を与えた。崩れた巣の奥底から再び太陽の下へと彼を引き上げた。たとえどれだけ苦しい人生が続いたとしても、そんな者を忘れることなどできるはずがない。

竜はあなたのそばに残ることに決めた。そして今回もその意志を継ぎ、生きていくことにしたのだ。

竜は今、これまで歩んできた道のりを思い出そうとしている。時に迷う瞬間があったとしても、与えられた仕事はしっかりやり遂げるはずだ。体力も、精神力も、他の人より何十倍も抜きんでている彼なら、効率面では誰にも劣らないだろう。

竜の刻印というものは本能以上の感覚だ。そんな感覚を持つ彼を見捨てることはできないだろう。至って純粋なこの竜が望むものはただ一つ。いつまでも、主に忠誠をささげる一匹の守護竜として、あなたのそばにいることなのだ。